涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。




『ほら!サクもマネしてみぃー?』


『なんで……?』


『いいけん、はよ!』



それ、今せないかんと?


不服に思いながらも涙をぬぐって、渋々レイのマネをした。



『ゆびさしたところば見てん?』


『……これがなんなん?』



ただ、空が青い。それだけだった。



『へへへっ!かかったな!俺の魔法に!』


『は!?』



魔法!?


生意気に私の顔をゆびさして、得意げな顔をしたレイ。



『ほら、泣きやんでる!俺の魔法!』



すげぇだろと高らかに笑ったレイに度肝を抜かれた。


……なんなん。マジで。


私はレイが幼い頃から大好きやった。

離れてしまっていた今でも変わらずにレイが好き。


あの頃、君は私の手を強引に引いて、いろんなところに行って遊んだよね。楽しかったなぁ。