やっぱり佐野くんを見ると、ズキズキと心が痛くなって、

少しだけ息苦しい。


けど、もうただのクラスメートとして接せれる。


「佐野くん、佐野くん。

未緒ちゃんいるよ、ほらあっち」

 
『………少し黙っとけ。


いるよじゃないって』


少しだけ佐野くんは笑って、

私の頭を軽く叩いた。


こんな冗談だってもっと軽く言えるようになればもう平気。


失恋して吹っ切れた気がする。