「俺のこと好きじゃないの?」
「‥‥‥」
「嫌いなの?」
「‥‥‥」
「答えてくれなきゃキスするよ?」
俺の顔を見上げてあの人が言った。
「すき…」
小さな声を、俺は聞き逃さなかった。
言ったよな‥。
今、好きって言ったよな?
俺の心が一気に狂い始める。
俺の体が勝手にあの人に触れる。
そして
激しいキスをする。
「嘘‥つき‥!」
バカだな…
好きって言われて、何もしないわけないだろ?
あの人は俺を拒んでるのに、
俺を待っていたかのように唇を開いた。
絡み合う二つの舌が音を立てる。
その音が俺を興奮させた。
もっと聴きたい…。
もっと聴かせて…。
「もう‥だめだよぉ…」
あの人の吐息まじりの声。
その声で、俺を拒むのか?
本気で拒むなら、そんな声出すなよ…。
もう
俺を拒めないようにしてやる。
俺がいなきゃだめにしてやる。
心も体も
俺のものにしてやる。

