『おい、いい加減声かけてこいよ。お前本当に本借りに来たわけじゃねーだろ?』





『お前声でけーよっ!管野に聞こえたらどうすんだよ!』





ボソボソと話す声に、息を潜めて聞き入ってしまう。




『今なら彼氏もまだ来てねーみたいだし、声かけるなら今がチャンスだろ!?

俺ここら辺で見ててやるから…ほら行って来いっ!』




俺がすぐ側にいることも気づかずに話してる内容に、沸々と怒りが出てくる。





俺がいないから声をかけるって?





そんな事させない。





勇み足でカウンターへと進んでいく見たことのない男。





真由美と同じ学年?





そしてその後ろ姿を覗くもう一人の男とバッチリ目が合った。