学校を出て前を見ると…




校門前にしゃがみ込んだまどかの姿があった。




膝を抱えて、俯き…小さな体が更に小さく縮こまっている。




俺の歩く足音に反応して顔をあげて、立ち上がった。



俺を見つめて…また俯く姿…。




まどかの真ん前まで行って立ち止まった。




「…待ってて…くれたのか?」




顔をあげ、俺を見て何か言おうとするけれど、何も言わずに…ただ頷いた。




「…帰るか。」




そうして手を差し出した。



まどかは俺の手をじっと見つめて、ためらいがちにそっと手を重ねてくれた。




手を繋いでくれた。




それだけの事なのに、胸が締め付けられそうになる。




毎日繋いでいるまどかの小さな手。




こうして触れるだけで幸せな気持ちにしてくれるんだな。