ホンキの恋 【ヒミツの恋続編】

そう答えた俺にニッコリと微笑んで、パタパタと足音を鳴らして近寄ってきた。




『お仕事お疲れさま!』





ぼう然と突っ立てる俺の手から、鞄を取って胸に抱えてリビングへと歩いていこうとする。





『ご飯作ったんだ〜!

今すぐ温める…』





こうして目の前にいてもも、イマイチ実感が湧かなくて





背中を向けてリビングに向かう裕美が、実は幻覚で、消えてしまうんじゃ……

そんなバカげた事も本気で考えてしまった。




この手でしっかりと幻覚じゃないことを確認したくて、持っていた買い物袋をその場にほったらかして

靴も脱がずに中に入って裕美を後ろから思いきり抱きしめた。