『……ん。…君…

谷口君っ!!』





ハッとした俺の隣で、怖い顔した松嶋が、受話器片手に俺を睨み付けていた。





『電話!ボーッとしてないで早く出てよ!』




促されるまま受話器を受けとり、話をする。





仕事中なのにボーッとし過ぎた…。






電話を切って、気持ちを入れ替えて、資料とパソコンの画面とを交互に見る俺に




『谷口君、資料逆さまよ?
どうしたの。最近おかしいわよ?』





呆れた口調だけど、どこか心配そうに聞いて来た松嶋に、





「別に。何でもない…」





そう答えて逆さまの資料をデスクに置いて席を立った。





おかしい…





確かにおかしいんだ…





その事を考えると、どうしても仕事に集中できねー…。