その後車を出して裕美の家の近くまで走らせる。





『ここでいいよ。あまり近いと、近所の人に見られちゃうし。』




その言葉で車を脇に止めてハザードを点けた。





「家に着いたらメールすれよ?」





『うん。』




シートベルトを外す裕美の手に自分の手を重ねた。





「…会いたくなったら、約束してない日でも家に来てくれて構わないから。」




そのまま唇を重ねて離すと裕美は上目使いで俺を見つめる。





『うん。ありがとう…』





名残惜しそうに車を降りて、角を曲がるまで何度も振り返りながら手を振り続けてくれる裕美。





今日はまあ、何とか我慢できたけど、これから裕美が家に来るたび、ちゃんと抑えられるかな…





そんな事を思うとため息が出たけれど、

裕美の事だから、毎日でも家に来てくれるんだろうなと思ったら自然と頬が緩む。




ラジオから流れてた歌を口ずさみながら家までの道を運転した…。