「ってことがあったの」




「なに、叩かれたの?」





まぁいろいろあって放課後。




いつも通り屋上に来ているわけで。




私は今日あったことを伊東君に話していた。






すると伊東君はいきなり立ち上がり、私のもとまで来ると頬に手を添えた。







「…少し赤くなってる。痛い?」





「……うん。ちょっと。」






頬に何か柔らかいものがあたった







「………治る、おまじない」







彼が少しだけ目を細めて笑った瞬間私は何をされたのか理解することができた。







「いと、うくん………」






「ほら、帰ろうか」









伊東君に手を引かれ私は帰った。







頬に唇の感触を残したまま。