だから、決めた。
「…できた」
翔。
弱虫なあたしを、"どうか許して"。
…そんなこと、言わないから。
ただあたしが、君のことを思い続けるから。
あたしのことなんて忘れて構わない。
でも、あたしは君のことを忘れなくてもいいですか───…?
最後の言葉を綴った手紙を、机の上に置いて。
玄関で待つ翔のもとへ、一瞬でも早く追いつけるように。
あたしはいつも以上に早足で階段を下りた。
「さーて!どこ行きますか?」
いつにも増して上機嫌な翔の手のひらを、これでもかってくらいにきつく握る。
それに気づいてるはずなのに、彼はあたしに何も言わない。
わかっているからなのだろうか。
もう二度と、こんな時間が訪れることはないと。
お互いのぬくもりを確かめあうように、さらにきつく繋がれる手。
1秒1秒、時が過ぎてく度に、どんどん"最後"が増えていく。

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