窓から差し込む光によって、私の目は自然と覚めた。

「うん……もう朝かぁ……」

 寝ている時間は感じて、私はため息混じりにそう呟く。

 時計を見ると、針は八時十分を差していた。
 これって、もしかして……。

「やばっ、もうこんな時間!」

 お腹まで掛けていたタオルケットを乱暴に剥ぎ、私は勢いよく上半身を起こす。

 起こしてって言ったのに……、お母さんったら……!

 急いで一階のリビングへと下りながら、お母さんに声をかけた。

「お母さーん、起こしてって言ったのにー!」

「あらごめんなさいね、忘れてた」

 ごめんなさいねじゃないよ……。これじゃあ遅刻しちゃう……。

 今からご飯を食べている暇はないので、私は急いで制服に着替え、髪をとかし、歯を磨くと、

「ああもう間に合わないっ! 行ってきまーすっ!」

 学校の指定鞄を持って、玄関を飛び出した。