寝転んだ麻里奈に、俺は、キスをした。



「なに固まってんの、隼人?」


…ってゆー、俺の地味な妄想。

「別に?」

あー、早く彼女がほしい。

別に、そういうことしたいから、彼女作るんじゃないけどね!


「ほっ」

「?」

マンガを置いて、突然起き上がる麻里奈。

何事かと見守っていると、俺の隣に座り直した。

そして、なんか、上目使いで俺を見上げてきた。

え、なになに。

「隼人…実はあたし、隼人のこと好きなの…」

!?!?!?!?

そしておもむろに俺の手を握り、

「キス…もっかい、しよ…?」

「はっ、おま、お前…!?」

なん、なんで!?

いや、なんでってのもおかしいけど、
え、えぇぇぇ、まじで!?

ぐっと近づく顔の距離に、思わず目をつぶる。

逆じゃねこの立場!?


も、なにがなんだかわからんー!?!?


ぶに。

「!?」

目の前には、いたずらな目をした幼馴染みの姿。

ツマまれている頬。

ナニコレ?

「え、信じちゃったの?あははっ、少女マンガも伊達じゃないよね~っ」


「え、なに、冗談?」

脱力感ハンパねー!

めっちゃドキドキした…

「このマンガの再現してみたの」

「あぁそう…」