4月の下旬。 色葉はクラスにも慣れ、 落ち着きがみえてきた。 少し前まで残っていた冬の空気も 今はすっかり感じなくなっている。 窓際には光が差し込み、 優しい風が吹き込む。 その場所で 男女が盛り上がっていた。 「色葉、これ食べろよー」 「どれ〜?」 お菓子を勧めるのは、 在野風馬(ありの ふうま)。 短めの黒髪、垂れた丸い目。 やんちゃで、天真爛漫。 少しいじわるなところもある。 向日葵を連想させる男の子だ。