本人の前でそんなこと言ったら可哀想だよ…。

と思いつつも、何も言えない私。



男子は興味なさそうに、転校生の彼を見る。


それにしてもなかなかの昭和ボーイだな。いや、もはや大正か?


冴えない髪型に、瓶底メガネ。今の若者とは思えない。


「席は…
門町の隣が空いてるよな?」


純也と反対側の隣の席。


少し前に転校した男の子の席がちょうど空いていた。