「中村陸です。よろしくお願いします。」 今時珍しい瓶底メガネをかけ、レンズで小さくなった瞳を長い前髪で隠した彼は、ボソボソと聞き取りづらい声でそう言った。 「はぁー…。」 「やっぱり人生なんてこんなもんか。」 「まーお約束なパターンだよね。」 転校生が来ると知りイケメンを期待していたクラスの女子から出る、落胆の声。