流れ星にお願いをすること。

 あの一瞬を捕らえて、願いを言い切ること。

 私は一度もできたためしがない。

 高校生の冬、ちょうど流星群が日本から見えるということで、厚着をしてベランダで、夜が明けるまで流れ星を数えていたことはあるが、そのときは願いなんて考えもしなかった。

 あのとき見た、一番大きい、現われてから消えるまで五秒はかかる流れ星を私は一生忘れない。