普段の蒼を碧と思ったら駄目だ。
そして、アルコールの入った蒼はさらにタチが悪い。
「あの……」
モジモジするみよちゃん。
その顔はまだ紅い。
そして、おもむろにノートを取り出し……
「サインしてください」
蒼に突き出す。
「え?俺のでいいの?」
蒼はそう言ってノートとペンを受け取り、
「冗談はやめてください、戸崎さん」
中山さんの制止を振り切り、そこに大きく書いた。
「戸崎」
と。
蒼はいつもこれだ、昔から。
そして、きっと中山さんもそれを知っていたのだろう。
みよちゃんは泣きそうな顔をしていて。
なんだかみよちゃんが可愛そうになって、
「蒼。真面目にして」
少し強い口調でそう言ってしまった。



