中山さんがそう言っている間にも、隣の部屋から楽しそうな笑い声が聞こえてきた。
今知ったことではない。
蒼はやたら友達が多い。
あたしの隣でみよちゃんが少しホッとしたような顔をしていた。
まだ蒼に会う心の準備が出来ていなかったのか。
だけど、蒼は碧ではない。
そんなに身構えなくてもいいのに。
「奥さん、いつもすみません。
戸崎さんを拘束して」
中山さんは少し申し訳なさそうに言った。
だから、いえと答える。
中山さんは蒼のことが好きすぎて、頻繁に飲みやイベントに誘っている。
そのことは蒼からも聞いていた。
「昔から忙しい人でしたから」
そう言うと、中山さんは目を輝かせて身を乗り出した。
そして、次々と質問を繰り出す。
「昔からって……
Fの活動がハードだったんですか?」
「戸崎さん、どんな生活していたのです?」
「戸崎さんは家ではどんな感じですか?」



