「そういえばね、戸崎さん」
みよちゃんの声で我に返る。
「あたしの彼氏、戸崎さんの旦那さんの会社の後輩なんです」
いきなりのその事実に、
「えぇぇぇ!?」
あたしは大声を出していた。
フロアの注目を一斉に浴びるあたし。
Fの話をしていた人たちも話を止め、あたしを見た。
その痛い視線を感じて口を噤み、何事もなかったように背筋を伸ばす。
蒼と違ってあたしは注目されるのが苦手だ。
みよちゃんは困ったように辺りを見回し、そしてあたしを見る。
人々の興味はすっかりあたしから逸れたようで、各々の作業へと戻っていた。



