蒼ってずるい。
なんでそんなこと、簡単に言えてしまうの?
あたしだってさ……
あたしだって、蒼にぎゅっとしてもらいたい。
もっと蒼に触れて、幸せを感じたいんだよ。
暗闇の中顔を上げると、蒼と視線がぶつかる。
昔から変わらない、アーモンド型の整った瞳。
その瞳は優しくあたしを見つめていて。
引き寄せられるように顔を近付け、唇を重ねていた。
久しぶりの蒼のキス。
ひたすら甘くて、頭と身体がおかしくなりそう。
少し触れるだけの軽いキスをして、ふふっと笑う。
あぁ、幸せだと改めて思う。
そして……
再び重なった唇。
今までの時間を埋めるように求め合い、身体が一つになってしまうほど蒼にしがみつき、その幸せに酔った。
本当に、大好き。
好きと一言で言い表せないほどに。
キスしただけなのに、あたしの身体はぐにゃぐにゃだよ。
じーんと痺れて、ふらふらよろめいて。
もっと蒼といたい。
このままくっついて離れなくなればいいのに。