悪夢だった……
最悪だ。
俺は俺の席に伏せていた。
泣きたい、まじで涙が出てくる。
俺の……俺の大切な初体験を、見ず知らずの女に奪われた。
ショックすぎて、ほぼ何も覚えていない。
ただ、身体にまとわりつく女性の体温と、性的な快感だけを覚えている。
これが大人の世界か。
全てが色を失って、絶望に満ち溢れていて。
「蒼、元気ないな」
友達が俺を心配してくれる。
元気そうに振る舞う余裕なんてもちろんなくて。
「最悪だよぉ」
俺は机に伏せたまま答えていた。
「俺の人生、もう終わったよぉ……」
ショックからはなかなか立ち直れなかったけど、追い打ちをかけるように優弥は俺に女性を紹介した。
それで、やけになって女性と関係を持った。
俺の心はズタボロだったけど、確かに碧は進化したんだ。
どうすれば女性を惹きつけられるのか分かった。
どうすればセクシーなのかとか、どうすればガキじゃないのかとか。
俺は俺の身体と引き換えに、色気という武器を手に入れた。



