「ちょっと、まじで?」
慎吾が俺に耳打ちする。
「俺たち、初出演だよね。
おかしくない?」
「おかしい。
何かが間違ってるよぉ」
俺は慎吾に囁く。
そんな俺のところに走ってきた女性たち。
「碧さん!超かっこよかった!!」
「ほんとぉ?」
そう答えた俺の足を、優弥は思いっきり踏ん付ける。
だから俺は慌てて言う。
「当然だろ。
これからもライブに来いよ」
すると、女性たちの目はハートになって。
絶対行きますと言ってくれる。
嬉しい、けど、複雑だ。
こんなわけで、碧の人格が出来てしまった。
優弥は俺たちにきつく言った。
イメージが全て。
仕事関係の人には、碧として接するようにと。
仕事って言っても、まだライブ一回しかしていないのに。
まだ、高校生なのに。
でも、優弥が怖くて……
そして、優弥の言うことは全て正しかったので……
俺たちは、優弥に逆らえなかった。



