怖かった。
文化祭じゃなくて、こんなライブハウスで、全く知らない人の前で演奏するなんて。
だけど……
ステージに立った俺には、碧が乗り移っていた。
一曲目。
練習通り……
いや、練習以上だった。
機材も違うし、音も聞き取りにくい。
おまけに、眩しいスポットライトに見知らぬ客。
だけど、気付いたら楽しんでいた。
そして、出来る自分に酔っていた。
後から考えれば、このナルシスト思考が碧を作り上げていたのかもしれない。
知らない客。
だけど、彼らは手を上げて俺たちの曲に乗っていて。
いける!
そう思った。



