こんな時、あたしの気を遣いセンサーが反応する。
この気まずい空気を何とか壊さなきゃ。
あたしが話をしなきゃ。
「優弥さん!
小野先生と同級生なんですよね?」
そう聞くと、優弥さんは小野先生を見たまま
「あぁ」
とだけ答える。
優弥さんに聞いたのがいけなかった!
「小野先生!
優弥さん、バスケ部のキャプテンだったんですよね?」
そう聞くと、小野先生は少し複雑な顔をして、
「はい」
とだけ答える。
だ……だめだ、この人たち!
バトルが始まるんじゃないの?
あたしの心臓はバクバク音を立て始める。
薬の副作用だけではない。
この空気、耐えられなかった。
優弥さん、昔はチャラかったって有名だもんな。
実際、紅さんと付き合いだしてようやく落ち着いたようなもんだ。
確かに出会った頃は両手に女性をはべらせていて。
蒼たちにも女に慣れろとか言っていたよなぁ。
優弥さんは蒼みたいな整った顔ではないけど、雰囲気はもうカリスマ的なものがあって。
優弥さんがモテるのもよく分かる。
だけど、もし小野先生が優弥さんに彼女さんを取られたことを酷く気にしていたり、トラウマになっていたら……
どんな言葉をかければいいんだろう。



