ライブハウスに、ギターの音が流れる。
優しくて、温かくて。
まるで蒼みたい。
胸がドキドキして高揚して。
立っているのがやっと。
蒼はよく知られているラブソングをアレンジして、歌ってくれた。
蒼らしく。
そして、時に碧らしく。
その度にあたしは痺れ、震え、涙を流した。
すごくすごく久しぶり。
こんな気分になるなんて。
蒼の歌を聴くなんて。
ブランクなんて感じさせない。
その演奏と歌声はあたしの胸を鷲掴みにして離さない。
蒼ってやっぱり天才。
最後は、Fのバラード『花束』。
純愛の名曲だ。
それをやっぱりアレンジして歌う蒼。
アルペジオでギターを弾くその指先。
浮き出た血管。
優しく歌を歌うその口元。
あたしを見て細められた瞳。
全部が愛しい。
そして、あたしは世界一の贅沢者だ。



