「楽しいねぇ、唯ちゃん」 嬉しそうな蒼を見るだけで、あたしも嬉しくなる。 「夕食まで時間あるし、どうしようかなぁ」 きっと、夕食も期待してはいけないね。 夜景の見えるロマンチックなホテルで……なんてクリスマスもあったけど。 蒼はあたしを楽しませてくれるけど。 でも、結婚のことは絶対に言わないんだ。 きっと今日も…… 「唯ちゃん。 少し俺の用事に付き合ってくれる?」 「用事?」 あたしは思わず蒼を見上げた。 蒼はあたしを見て、優しい顔で笑った。