牧場で、蒼と一緒に馬やヤギを見た。
「わぁー、乗りたいね、唯ちゃん」
蒼はそんなことを言っていた。
そして、フェンスの横に繋がれていた犬に駆け寄る。
まるで子供みたい。
そして、興味深々にその手を伸ばしたが……
犬に吠えられて慌てて逃げてきた。
「駄目だよ、そんな乱暴に触ろうとしたら」
あたしはそっと犬に手を差し出す。
すると、犬はゆっくりあたしに近付き、気持ちよさそうに目を細めた。
犬と蒼を重ね合わせてしまうあたし。
そして、蒼のことを思ってまた胸が熱くなった。
だけど……
「ずるーい!俺も撫でてよぉ」
本当に、あたしの妄想通りだった。
蒼はなかなかの甘えん坊だ。
あたしだって蒼にくっつきたいけど、ここは公共の場。
いちゃいちゃするなんて恥ずかしいよね。
そう思ったが……
ぎゅっ!
不意に腕を引かれ、よろめくあたし。
そんなあたしを優しく抱きとめる蒼。
その胸に顔を埋め、幸せを感じる。
あたし、やっぱり蒼が好き。
世界中のファンを敵に回しても、あたしは蒼から離れられない。



