ー唯sideー
「唯ちゃ~ん!
クリスマス予定あけといてね、クリスマス!!」
蒼はあたしにいつものように言った。
嬉しいな、クリスマスに蒼とデート出来るんだ。
F最盛期はデートなんて頻繁には出来なかった。
だけど今はこうやって蒼と一緒にいれる。
みんなの碧じゃなくて、あたしだけの蒼。
それはすごく嬉しい。
だけど……
亜美がそそのかしてくれた結婚の件。
蒼はあれ以来何も言ってこない。
やっぱり蒼は結婚なんて考えていないんだ。
そうだよね、蒼がその気になったら、あたしなんかよりもずっといい女の人と結婚出来るはず。
それでも蒼とクリスマスを過ごせるのが嬉しくて、あたしは笑顔で頷いていた。