「そういえば蒼、九月のライブの件だけど……」
「……はぁ。九月の」
まだまだ先じゃん。
優弥、気が早いんだよな。
俺はわざと変な顔をして優弥を見る。
「どうしよう。
東京ドームでも取るか?」
「無理でしょ」
俺は即答していた。
優弥、なにが東京ドームだよ。
冗談にもほどがある。
Fの最盛期は終わったんだよ。
東京ドームでやっても、人集まらないよ。
「お前の作っている新曲がヒットすれば巻き返せる」
「何その人任せ」
優弥はめちゃくちゃだ。
そして、絶対的な自信を持っている。
でないと、東京ドームなんて言えない。
そして、俺の作った新曲がヒットするなんて思えない。
カリスマ優弥の曲ですらヒットしない時があるほどだから。
「期待してるぞ。
夏以降は忙しくなりそうだ」
「はぁ!?
俺、夏以降はローンの契約終わって、暇になるはずなのに」
優弥は鬼だ。
俺のことも考えてよ。
俺は声を張り上げていた。



