「戸崎さん、艶さんと知り合いなんですか?」
そんなことを言うやまちゃんに、
「う……うん。
色々とあって……」
訳のわからない言い訳をする。
俺は馬鹿だ。
いずれバレるのに。
バレるのがすごく怖い。
優弥、察して。
今だけ他人のふりをして!
優弥がまた口を開きかけたから、俺が喋る。
「こちらは山口。
私の後輩です」
「え……艶さん!
お会いできて嬉しいです」
やまちゃんは本当に嬉しそうにそう言い、深々と頭を下げた。
やっぱりやまちゃんは優弥のことは嫌いではないらしい。
何だかちくりとする。
優弥は分かってくれたのか、やまちゃんに軽く会釈をするだけで何も言わない。
さすが優弥!
俺はやまちゃんの陰に隠れてウインクする。
すると優弥はため息をついてそっぽを向いた。
こんなわけで、全て順調に終わると思っていた。
……俺がヘマしなかったら、全て順調に終わったはずなのだ。
一瞬の気の緩みから。
まさしくその通りだ。



