炊事場で、優弥さんから渡された野菜を洗い、皮を剥いて食べやすい大きさに切る。
昔は料理が苦手だったが、今はお手の物だった。
周りにも大勢の客がいて、それぞれ楽しい夕食に向けての支度をしている。
キャンプなんて久しぶりだ。
そして、こうやってみんなと楽しめるのは、すごく嬉しい。
「唯ちゃん、遅くなってごめんね」
不意に大好きな蒼の声が聞こえ、帽子越しに頭をぽんぽんと撫でられる。
あー、蒼の声を聞くだけで、こうして少し触れるだけで、すごく安心する。
あたしはやっぱり蒼が大好きだ。
「優弥に超怒られてさぁ~」
蒼はそう言って、無造作にキャベツを手に取る。
そして、それを適当にバラバラとむしった。