ー中山sideー
待ちに待った六月。
ついに俺の部署にも、研修を終えた新人が入ってきた。
ようやく最年少脱出だ。
俺は意気揚々と自分の席に座る。
「おはようございます、中山さん!」
「おはよう、山口」
俺は新しい後輩の山口に爽やかに挨拶をした。
そして……
「おはよう、中山、やまちゃん」
いつものんきな戸崎さんが爽やか……というより、ニヤニヤして挨拶する。
俺は挨拶代わりに、
「やまちゃんって何なんですか?
ウザいんですよ」
なんて噛み付く。
戸崎さんは相変わらず馬鹿で。
「だって隣のオフィスに山口さんいるじゃん。
それに、やまちゃんはやまちゃんって顔してるしぃ」
訳の分からない言い訳をして、書類を抱えて出ていってしまった。
俺はそんな戸崎さんの後ろ姿を見ていた。
いまだに時々信じられない。
戸崎さんは馬鹿だけど……