それもそのはず。
キャンプに来ているというのに、みんなは遊んでばかり。
なぜか優弥さんが荷物を運び、バーベキューの準備をして、そして火を起こしていた。
「ごっ……ごめんなさい!」
慌てて優弥さんのもとに駆け寄るあたし。
あたしとしたことが。
優弥さんが一人で働いていることに、全然気づかなかった。
優弥さんは蒼たちのほうを睨みながら、
「悪ぃな、唯ちゃん」
そう言って野菜を渡す。
どうやら切れということらしい。
あたしは微笑んで野菜を受け取った。
「あいつら、あとで説教してやらねぇと」
優弥さんはそう言って、煙草に火をつけた。
そんな平和な休日の夕方のことだった……。