「ひっ……」
隣の女性が再び声を上げ、目元をハンカチで押さえる。
それに負けないくらい、俺も泣きそうだ。
彼は、俺を見ることなく向かいの席に腰を下ろした。
そして、
「今日はお集まりいただき、ありがとうございます」
スタッフの声が響く。
「碧さんもお忙しい中、ありがとうございます」
黙って会釈をする彼。
その凛とした姿に圧倒される。
「今日は当雑誌主催の座談会です。
ご自由にお話しください。
ただし、記録のために録音させていただき、写真を撮らせていただくこともあるのでご容赦ください」
スタッフが簡単に説明して、話を続ける。
どうやらこのスタッフが仕切り役のようで。
自由に話すといっても、脱線や沈黙しないようにしてくれるのかもしれない。
……ま、どっちにしても、戸崎さんに沈黙という言葉はないが……
どうなのだろう。
碧としてはあまり話さないかもしれない。
だって、碧はクールだから。



