ー蒼sideー
「戸崎さん、いいでしょー!」
俺が帰る支度をしていると、中山が寄ってきた。
何だかご機嫌だ。
「どうしたの?」
聞いてほしそうだったのでそう聞くと、
「某雑誌に当選したんです!
好きなアーティストとの対談」
「あぁ、あの有名なやつね!
それはおめでとう」
俺は笑顔で答えた。
「それにしても、誰なんでしょう?
戸崎さんが知らないってことは、Fではないですよね?
キングかなぁ!」
「俺のはずないでしょぉ!
キングだといいね」
俺はそう言って上着を羽織る。
上機嫌の中山を見ていると、俺まで嬉しくなるのだった。