蒼は携帯を握りしめて、震えていた。

カッコイイ碧からは想像も出来ない姿。

蒼は行ってしまうかもしれない。

行かないとしても、唯ちゃんのことを考えて、ライブにならないかもしれない。

蒼は唯ちゃんがいないと駄目だから。

蒼は……

ヘタレで弱い。







「蒼、ライブの時間、遅らすか?」




俺は蒼に提案した。

とにかく今は落ち着くことだ。

落ち着いて、自分を取り戻してもらわないと。




「さ……賛成!」




慎吾と賢一も動揺していて。

その声が震えていた。




ほら、いけねぇ。

蒼のパニックが、みんなに伝染している。