ー優弥sideー 「蒼、大丈夫か?」 俺は顔色の悪い蒼に聞く。 蒼は黙って頷いた。 いつもふざけている蒼。 だけど、この瞬間は冗談なんて言えなくなる。 間もなく開演。 俺たちFの、渾身のライブ。 弱くておちゃらけの戸崎蒼は、人々を魅了する碧になる。 それにしても、蒼の作った新曲はバカ売れした。 悔しいほど。 いつもと違ったFの曲だから売れたのかもしれないし、蒼の素直な気持ちがこもった歌詞が人々の心を揺さぶったのかもしれない。 とにかく、あの曲のおかげでFは持ち直していた。