「唯ちゃん……」
蒼の声は少し震えていて。
きっと、眠ってなんかいなかったのだろうと悟った。
「俺、全部読めなかった。
……泣いてしまって」
そうなんだ。
何だか少しホッとした。
「あれだけね、イメージ作りを気にしてた優弥だよ?
色々暴露して。
……アタマおかしくなったんかな?」
何も言えない。
ただひたすら胸がキューっとなる。
あたしは、黙って蒼の背中に顔を埋める。
「優弥の馬鹿。
優弥の好きな、かっこいいFの危機だよ?」
「そんなことないよ……」
やっと発したあたしの声は、思いのほか弱々しかった。
「でもね、俺はやめないから」
「え?」
「これからも、俺は俺、碧は碧でい続けるから」
「……」
「それが優弥への恩返しだよ」



