男は生気の無い目で麻衣子ちゃんを見つめ、口元に薄ら笑いを浮かべる。
「人気者になったら……
俺なんてどうでもいいんだ……」
そして、キラリと光ったものを正面に突きつける。
背筋に寒気が走る。
反射的にお腹を守った。
だって……
それは、ナイフだったから。
きっと、あの夜蒼を傷つけたナイフだ。
「じょ……冗談でしょ」
麻衣子ちゃんはそう言うが、震えていた。
それに、冗談のはずがない。
現に蒼が刺されているから。
「その変態男……
麻衣子もそいつに引っかかったんだな」
「へ……変態男?」
こんな状況だというのに、蒼はショックで口をあんぐり開けている。
そして、
「ちょちょ……
ちょっと待ってください!」
少しパニックを起こしながら、言葉を続けた。



