「あーっ!小野先輩!
また唯ちゃんに絡んでるんですかぁ?」
現れた蒼はぷーっと頬を膨らます。
小野先生は相変わらず穏やかに笑いながら、
「後が怖いから、戸崎の奥さんなんかに手ぇだせないよ」
なんて言う。
それでも蒼は上目遣いで先生を見ながら口を尖らせる。
「ただでさえ警戒しているんですよ?
だって先輩、唯ちゃんの体見てるでしょ?」
「仕方ないよ。
見ないと診断出来ないんだから」
小野先生は苦笑いしてそう言う。
それでも蒼は納得いかないようで、ブーブー言っていた。
だけど、
「赤ちゃん、今日も元気だよ」
先生がそう言うと、蒼は満面の笑みを浮かべてあたしの近くに寄る。
そして、そっと膨らんだお腹に触れた。
どきん。
あたしの体が音を立てる。
そして、
ビクン……
お腹の子供が大きく動く。
蒼はあたしを見上げ、すごく嬉しそうな顔をする。



