「当時のえんちゃんは、すごく厳しい人でした。
戸崎も怯えて真正面からは言えなかった。
戸崎がえんちゃんのカップラーメンを無断で食べて、えんちゃんがすごく怒って。
それはもう、体育館が吹っ飛ぶ勢いでしたよ」
想像するだけで笑ってしまう。
……当時は笑い事では済まないのかもしれないけど。
「それで、バスケ部の起爆剤と言われたんですね」
小野先生は黙って頷いた。
頷きながら楽しそうに笑った。
「僕はえんちゃんにも長い間会っていません。
でも、テレビで見る限り、元気そうですね」
「はい。いつも蒼と言い合っています」
「戸崎も強くなったんですね」
あたしと小野先生は声を出して笑っていた。
そんなお昼の穏やかなひとときだった。



