「大丈夫だってぇ!
ダンスの練習でしょ?
ダンス得意だから任せてよ!」
「……戸崎さん、ダンス下手ってか、めちゃくちゃにやるからな……」
中山は頭を抱えていた。
分かっている。
中山は多忙な俺を気にしてくれているのだ。
だけど、北野さんは大切な先輩。
俺だけ不参加ってわけにはいかないでしょ?
「そうそう。
まさかの北野さん元ヤン疑惑!
元ヤンネタでやったら?」
「戸崎さん……あなたマジで頭悪いですね」
中山はため息まじりにそう言った。
相変わらず愛情あふれる失礼な男だ。
「北野さんが元ヤンっての、明らかに隠してるでしょ。
触れないほうがいいですよ」
「そっか」