「俺、我慢出来なくなる」
「いいよ」
蒼が欲しい。
思いっきり抱きしめて、狂わせてほしい。
でも……
「唯ちゃんのお腹には、二人も子供がいるから」
「先生は大丈夫って言ったよ」
「万が一何かあったら、後悔じゃ済まない」
蒼はそう言って、いつもの笑顔であたしを見た。
「俺にとったら生殺しだけどさぁ。
大事だもん、唯ちゃんも子供も」
いつもそう優しい。
「無事に生まれたら、唯ちゃんいっぱいぎゅっとするよ」
「……うん」
あたしも馬鹿だよね。
今はお腹の子供が一番なのに。
それに気付かせてくれる蒼が夫で、本当に良かったよ。
きっと蒼も辛いんだよね。
だけど、今は我慢なんだね。
「唯ちゃん、大好き!」
あたしもね、蒼のこと大好き!
言葉では言い表せないほど、好きで好きで仕方がないんだよ。
新曲、あたしも頑張るよ。
絶対いい曲にしようね。