ーー夢に向かって突き進んでいたF。
そのFが突如活動再開したのは、他ならぬ碧の結婚式だった。
碧は大学生の頃から付き合っていた一般人女性と、八年の交際を経て入籍した。
碧の妻は大和撫子だ。
メンタルの弱い碧を影で支え、碧を信じぬいた。
Fのせいで碧とすれ違いの日が続いても、文句一つ言わず碧を応援していた。
そんな彼女がいたからこそ、彼は安心してFの碧となり、人々を魅了することが出来たのだ。
そんな碧の結婚式で、俺たちは即席のライブをした。
練習不足で酷い出来だった。
だが、気分が高揚し、あの頃の輝いていた日々が脳裏をよぎった。
俺は数々のプロデュースをしてきたが、Fが己の居場所だと強く感じた。
しかし、それは俺だけだと思っていた。
他の三人にはプライベートもあるし、新しい人生を歩んでるいる。
今さらFに引き戻すこともない。
そう思ったが……
奴らは活動再開を快諾した。
俺は耳を疑った。



