「疲れたねぇ、唯ちゃん」
蒼はそう言って、甘いフルーツジュースを出してくれる。
あたしは大丈夫。
でも、蒼はすごくしんどいはずだよね。
「ちょっと休憩」
蒼はそう言いながらも立ち上がり、ギターをかける。
蒼はFの曲も練習しないといけないし、作曲もしないといけないから。
元気そうにしているけど、背中はなんだか疲れきっていた。
あたしは……
そんな蒼の背中に抱きついていた。
小柄なほうだけど、しっかりした男らしい背中。
ボディーソープと微かな蒼の香りがした。
胸がドキドキする。
子供がいるっていうのに、お腹の奥がきゅんとした。
あぁ、やっぱり蒼からは離れられない。
好きで好きで仕方がないんだ。