「じゃあ、唯ちゃんはどうしたらいいと思う?」
困った顔の蒼に、あたしは告げた。
「不倫を責める歌ではなくて……不倫を止める歌にしたら?」
「?」
「ずっと不倫していたけど、お互いの幸せを思って別れるみたいな」
「そっか……」
それから、あたしたちは何度も何度も歌詞を考えた。
まっすぐな蒼の言葉に胸をえぐられ、ドキンとする。
ふざけていた蒼もいつの間にか真剣な顔で考え込んでいて。
その、どことなく碧っぽい顔に胸が熱くなった。
あたしさ、歌詞なんて考えられないと思った。
でもね、蒼といて、焦がれたことや狂わされたことがたくさんあった。
あたしには才能もないし、Fの曲になんて厚かましい。
だけどね、できることを頑張るよ。
それが、頑張っている蒼への最大の恩返し。



