「でもね、俺さぁ、やっぱり出来なくて……」




蒼がしゅんとなる。




「映画とのタイアップで、テーマは不倫なんだけど……」




ここにきて不倫か。

不倫騒動を起こした蒼だけになんだか気の毒だ。




「唯ちゃん、作詞だけでも手伝ってくれない?」




その言葉に、




「えぇぇぇぇ!!?」




あたしは飛び上がっていた。







作詞……


手伝う?


冗談じゃない!

遊びじゃないんだよ。

Fの歌でしょ!?

蒼は分かんないだろうけど……




「いちファンが作詞なんかに関わっちゃ台無しだよ」




やっとのことでそう言った。