こんな訳で、蒼を襲ったと思われる麻衣子ちゃんの元カレは行方を眩ました。
そして、麻衣子ちゃんは有無を言わさず優弥さんの家に連れていかれた。
残ったあたしたちは、賢一の家に避難させてもらうことになった。
慎吾は同棲中だから……と蒼が気を遣った結果だった。
賢一は夜中に押しかけたというのに、あたしたちを迎え入れてくれた。
そして、ゲラゲラと笑う。
「蒼、フィーバーしすぎだろ。
MYの彼氏も、どんな変態に捕まったのかと心配になるぜ?
ちょうど合コンで会ったユミちゃんとラジオ聴いてたんだけど、ユミちゃん引いてたぞ?」
「……だよね」
蒼はげんなりとして賢一のベッドに倒れこむ。
「あのラジオのあと、蒼のせいでユミちゃんと燃えたけどな?
あんなことやこんなことも!
そのベッドの上で」
賢一がそう言うと、蒼は転がり落ちるようにベッドから退く。
「キモい」
「キモいのは蒼だ!」
蒼は疲れた顔をしていたが、そうやって賢一とキャッキャと騒いでいた。
そんな蒼を見て不安になる。
怪我は大したことなかったけど、過労で倒れたよね?
昔からそうだった。
蒼は疲れた体に鞭打つから。
このままじゃ、本当に蒼がもたないよ。



