「もう、あたしの家にいないかもしれない。
でも……家の前に来るだけで、震えが止まらないんだ」
そう言う麻衣子ちゃんは、いつもの強気の麻衣子ちゃんとは程遠い。
その白い手が小刻みに震えていた。
「このまま唯ちゃんの家に居候するのも良くないけど……
蒼も居ていいって言ってくれたし……」
あたしも麻衣子ちゃんがいてくれると楽しい。
でもね……
「こうやって逃げていても、何の解決にもならないんじゃないかな?
麻衣子ちゃんは一生元カレに怯えて生きるんだよ?」
あたしは耐えきれず、そんなことを口走った。
強気の麻衣子ちゃんは反撃に出ると思った。
でも、肩を落として弱々しくあたしを見るだけ。
いつもの強くて豪快な麻衣子ちゃんはどこに行ったのだろう。



