『俺は高校生の時ですね。
ダイエット成功して、すぐ彼女出来て。
俺の部屋でフツーにいい感じになって』
艶の声が聞こえる。
何かと正統派の艶は、こんなことをスマートに話す。
『でも、フィニッシュで邪魔されましたね』
『え?』
『勝手に家に上がった碧が俺の部屋開けて。
コイツ、顔面蒼白。
あれは気まずかった』
『……あれはトラウマ。
つか、乱入しようかと思った』
続いて笑い声。
そうなんだ。
そんなことがあったんだね。
優弥さんの話には笑えたのだが……
『碧さんは?』
『……俺は……』
胸がズキっと痛む。
どんな初体験だったんだろう。
悔しいよ。
あたしだけのものなのに。
『俺はノーマルだと思う』
『は?俺がアブノーマルっつーんか?
お前のほうがアブノーマルだろ』
二人の会話が聞こえ、笑い声が起きる。
そんなんで結局、彼が初体験についつ話すことはなかった。
何だかホッとしたけどモヤモヤした。
蒼はどんな顔で、どんな気持ちで初体験を迎えたのかな。



